保存のパッケージにも、20世紀の紅茶は問題点がありました。イメージ重視でほとんどのヨーロッパの紅茶がアルミ缶などで流通されていたのです。
ここの問題点は、アルミ缶などの場合は、紅茶を飲んで使っていくと、缶の中から紅茶がなくなった分だけ、空気が中に入っていることになります。空気が多く、紅茶にふれると、紅茶の鮮度が落ちてしまいます。
紅茶はできるだけ空気にふれないほうが、鮮度が良く美味しさが保たれます。そのため、21世紀の紅茶は、アルミのチャック付きの袋で流通させるべきと考えています。袋のメリットとして、紅茶を使った後に空気を袋の中から抜いてチャックで閉じることができます。
紅茶と空気をできるだけふれさせないことで、紅茶の鮮度が保たれて、紅茶を美味しく飲むことができます。
これまでの20世紀までのイメージだけの缶のパッケージから、21世紀は、鮮度を大事にした袋のパッケージに変わるべきだと考えています。
紅茶は農作物、鮮度が重要
紅茶は農作物のひとつのであるため、鮮度が新鮮なものほど、美味しくなります。しかし、これまでの20世紀までの紅茶の流通の仕組みでは、鮮度があまり重視されてきませんでした。
じつは、紅茶は100年後でも腐らずに飲めるため、賞味期限を長くつけることができるのです。
そのため、これまでの大手の紅茶メーカーは、大量に紅茶を作り、問屋や輸入などに時間がかかるため、賞味期限を3年〜5年と長くつけていました。 紅茶は腐らないため、3年後や5年後でも全く問題なく飲めるのですが、鮮度が落ちるため、風味はなくなってしまいます。
賞味期限を長くつけるのは、飲む人の立場に立ったものではなくて、流通させる側のメーカーや量販店の都合だったのです。賞味期限を長くつけることで、風味は落ちたとしても、賞味期限切れによる在庫の処分をしなくてよくなります。
これから21世紀の紅茶は、鮮度のいい美味しい紅茶であるべきなので、当店では、あえて、紅茶の賞味期限を製造(パッキング)から1年〜2年と短くしています。賞味期限が短くなることで、鮮度のいい、風味がいい状態で紅茶を普及させることができます。
賞味期限が短くなりますが、輸入から販売まですべて一気通貫で管理することで、在庫の破棄などのリスクをなくして、鮮度の高い紅茶を流通させます。そのやり方のほうが21世紀に適したやり方だと考えています。